写メ日記

第2章:仮面の女、麗璃栖

2025/10/16 03:39:48

霧の夜が深まる中、俺は彼女のゲームに足を踏み入れた。「ルナ・ノワール」のカウンターで、彼女の唇が妖しく微笑む。黒いレースの仮面が顔の上半分を隠し、蛇と茨の模様が月光を浴びて冷たく光る。仮面は、まるで彼女の魂を封じる聖遺物のように、俺の視線を絡め取り、熱を呼び起こす。ジャズのメロディが低く響く中、彼女の細い指がワイングラスの縁をゆっくり撫で、その音が俺の心の弦をそっと弾き、下腹部に甘い震えを伝える。深紅のシルクドレスが照明の下で揺れ、彼女の曲線を夜の影のように浮かび上がらせ、肌の温もりを想像させる。


「想像してみて、私の仮面の下を。」


彼女の声は甘く、まるで蜜のように俺を絡め取り、身体の奥をざわつかせる。彼女の唇が、言葉を紡ぐたびに微かに震え、俺の視線を釘付けにし、熱を灯す。ジャスミンとバニラの香りが近づくたび、俺の胸に熱が広がり、肌が敏感になる。


「…君の仮面の下は、傷跡。過去の傷が君を隠している。」


俺は迷った末に答えた。ゲームのルールに従い、だが本能的に彼女の心を探る言葉を選んだ。彼女の唇が一瞬固まり、微笑みが深くなった。まるで俺の言葉が彼女の奥深くに触れ、彼女の身体を震わせたかのように。彼女は扇を広げ、唇を半分隠した。その仕草は、俺の欲望をさらに煽り、想像力を刺激する誘いだった。


「鋭いわね…正解、一部よ。」


彼女の声が低くなり、まるで霧そのものが囁くように響き、俺の耳元で熱を帯びる。


「私の名前は…麗璃栖。でも、かつてはリリスと名乗ったわ。」


彼女の唇が、名前を紡ぐたびに緩やかに動き、湿り気を帯びる。Lilith(リリス)—古い神話の女神、自由と誘惑の象徴、人の掟に縛られず夜に生きる女。彼女がその名を選んだのは、裏切りの夜に古い自分を捨てたからだ。


「かつて、私は華やかな舞踏会で輝いていた。恋人がいた。夜ごと甘い言葉を囁き、私の心を奪った男。でも、ある霧の夜、彼は私の秘密を売り、私の顔に傷を残した。この仮面は、傷を隠すためじゃない。リリスとして生まれ変わった私の魂を、夜の闇に閉じ込めるためのものよ。」


彼女の唇が、囁くように動く。その微笑みが、俺の心に棘を刺し、身体に熱を呼び起こす。彼女の指が俺の手に軽く触れ、その冷たさが逆に下半身に甘い震えを伝える。


「なぜリリスを名乗る?」


と尋ねると、彼女は唇を曲げた。


「神話のリリスは、愛を拒み、闇を選んだ女。私もあの夜、愛を捨てたの。あなたは…私の闇に踏み込み、私の熱を感じる覚悟がある?」


彼女の微笑みと香りに、俺の心は揺さぶられ、身体がざわつく。このゲームは、ただの遊びじゃない。彼女の魂を探る、危険で甘い旅だ。


次章:麗璃栖は俺をダンスフロアに誘う。仮面の魔力と微笑みが、俺の欲望をさらに高ぶらせる夜。

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#仮面ごとに咲く花 #仮面 #福生 

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